「小さなカフェを始めたい」という方に、知ってほしい話

「小さなカフェを始めたい」という方に、知ってほしい話 コーヒー雑談
「小さなカフェを始めたい」という方に、知ってほしい話

こんにちは。しげとしです。

 

たまたま最近、常連のお客様に

「小さなカフェを始めたいんだけど…」って言われたので、

個別のお返事をしたあとにお店のメルマガで配信して、

気になったので、もう少し詳しいお話を文字数制限のないブログに書くことにしました。

 

私の個人的な覚書ですが、もし必要な方がいらっしゃったら参考にしてください。

 

そこで今日は、コーヒー好きの方なら、きっと考えたことのある一言

「小さなカフェを始めたいんだけど…」について、語らせてください。

 

コーヒー好きの方なら、コーヒーがおいしいだけじゃなく

きっと、お料理やお菓子についても造詣が深くて、

「お店をやったらいいのに…」って言われることが多いと思います。

 

実際に私も、お客様に

「小さなカフェをやりたいんだけど…」って言われることが、 時々あります。

 

でも、そんな場合の私の意見は

「やめたほうが良い」です。

 

飲食店についてよくご存じない方もいらっしゃると思うのでご説明すると、

一般的な飲食店は「1年で4割潰れる」と言われています。

私の感覚で言えば、飲食店の中でも小さなカフェは最も潰れやすく

「小さなカフェで3年生き残るお店は、かなり少ない」と感じるほど、厳しい世界です。

 

厳しすぎるので、私に「うまくいく方法」はわからないですし

もっと言えば「失敗をさけるためのアドバイス」ですら、私にはわからないんです。

 

飲食店は「商品力・雰囲気・接客・価格・立地・集客力・評判」など

すべての要素の「掛け算」でお店の力が決まってきますので「総合力」の評価になり、

成功する方法も失敗する方法も、複雑すぎてよくわかりません。

 

昔からの常識も、今となっては「ただの勘違い」だった可能性がありますし…。

 

たとえば、昔からの一般的な常識では

「お店を始めるなら、同規模・同業種の繁盛店で3年~5年の実務経験が必要」

というのは、アタリマエの条件だったと思います。

 

お店は規模が違うと求められるスキルが違いますので

「同じ規模の似た業種のお店で3年~5年の実務経験」はあったほうが良いですし

お店での実務経験がないのに始めるのは無謀だというのが、昔からの常識でした。

 

同じような規模のお店で、お店を任せられるぐらいにならないと

独立してお店を持つのは危険、というのが昔の常識だったんです。

 

ただし、これは最近のSNSの普及で最初から集客するお店が出現してきたので

「実務経験って、ホントに大事?」と感じる場面も出てきており、今は

「ある程度、ウデに自信があれば、経験よりもチャンスをものにする柔軟性のほうが重要」

ということになっているのかもしれません。

 

いくら飲食で長く勤めていた人であっても

「店長をしていた人が独立したのに、お店を投げ出して夜逃げをした」なんて話は

今も昔も、飲食店では時々起こることですし…。

 

そんな私が、成功も失敗もわからないにもかかわらず

なぜ「やめたほうが良い」と言うかというと…

「小さなカフェを始めて、家庭までうまくいかなくなる方法」については

原因をいくつか知っているからです。

 

「小さなカフェを始めて、家庭までうまくいかなくなる」ときの原因は

「小さなお店なのに、そもそも無理が多い(絞り込みが甘い)」

「売上・利益を多く、コストを低く見積もりすぎている(資金計画が甘い)」

というのが、私の身近で昔からよくある原因です。

 

メニューや雰囲気、内装にこだわるのは素晴らしいんですが

何でもできる人だけに全方位に頑張りすぎて、無理がある… という場合が多いんです。

 

ラーメン屋ならラーメンだけこだわれば良いんですが

カフェでランチにこだわる…となると、こだわるメニューの品数は膨大です。

 

また、副業で始める方が多いため、期待が大きすぎて

売上・利益を多く、コストを低く見積もりすぎている、というのもあります。

 

お店を始めると、休んでる間も、寝ている間も、コストは発生するのに

どんなに頑張っても、お客様は来てくださらない日が、思いの外、多いんですよね。

 

どちらも、時間と手間とコストが掛かった上に、持ち出しばかりが増えるので

ご家庭内でのギクシャクが多くなり、不協和音が多くなった結果、

家庭までうまくいかなくなる場合が多いんです。

 

オマケに、お店を始めると、ご家族だけでなく、お客様や近隣の方々など

いろいろな方向からご意見も出て、

一旦始めると、物事は余計に難しくなっていきます。

 

また、たとえ資金計画をよく考えていたとしても

カフェは営業時間が長いので、無理が続くと体を壊して、人生が詰む危険性もあります。

 

ひどい場合は、

「お金がなくなって、体も壊して、小さなカフェを始めて、わずか数年で人生詰んだ」

なんて人を私は知っています。

 

小さなカフェは、初期投資がかかる割に、お客様の一人あたりの単価が低くいため

たくさんのお客様にお店を支えていただく必要があります。

 

これが、今の時代には難しくなってるような気がしています。

 

ですから、事情がある場合でも

「あらかじめ、ご家族でよく話し合ってください」とお伝えしています。

 

事前によく話し合って、最低でも「事業計画の詳細」と「撤退ライン」を決めておかないと

無計画に「1年で4割潰れる」&「3年生き残るのは稀」の厳しい世界に入るのは

あまりにも無謀すぎます。

 

そして、もし「お店を持つのが夢」であったのなら、

厳しい現実がわかった上で、覚悟の上で始めるほうが安全です。

 

私が「やめたほうが良い」っていっても

始める方は、いくら止めても始めちゃうわけですし、

成功も失敗も、実際に始めてみないとわからないわけです。

 

お店は、「やってみないとわからいない」んですが

小さなカフェを始めて、『家庭までうまくいかなくなる』や『人生まで詰む』ときは

作業面や資金面での、関係者の甘い見通しが原因でイザコザが増えてるんです。

 

あらかじめ、ご家族でよく話し合っていただけば

厳しい状況でも、かえってご家族の結束が強まる可能性もありますし

うまく行かなかった場合の撤退も、安全に対処できる可能性があります。

 

私は毎回、こんな面倒くさいお話をする性分なので

私の関与した範囲で、悲惨な形で潰れたお店はありませんし

なかには、焙煎機を買ってお店が2軒に増えている方もいらっしゃいます。

(すでに、ウチではコーヒーをお買い上げいただいてませんが…)

 

ウチは、焙煎機が小さいので業務用卸は行っていないのですが

たまたま、今年は「小さなカフェを始めようかな」って方が多い気がして

気になったので、語らせていただきました。

 

もし、「小さなカフェを始めようかな?」って方は

事前の事業計画(とりわけ、絞り込みと資金計画)については

ぜひ、お気をつけくださいませ。

(うちは何も出来なくて恐縮なんですが…)

 

そんなわけで、

昔から、小さなカフェは、甘い見込みでお店を始めて…

お店を始めると、ご家族だけでなく、お客様や近隣の方々など

いろいろな方向からご意見も出て、余計に難しくなって…

お店だけでなく、健康や家庭まで台無しにしてしまう場合がよくあります。

 

事前に、厳しい現実に向き合ってご家族全員でよく話し合って

そのうえで、どうするか?を、よく考えていただくのが、私のオススメです。

 

「地獄への道は善意で敷き詰められている」という言葉もあります。

 

私から見ると

「地獄への道は『お店をやったらいいのに…』という無責任な一言で敷き詰められている」

ということになるわけです。

 

何にしても、良い人ばかりで明るい未来に向かうような希望に満ちた話をして

取り返しのつかない状況になることだけは、避けていただきたい…

と考える次第です。

 

ネットではこんな動画も見つかりましたので、私に関係ないコンサルさんの動画ではございますが、参考にご覧ください。

 

 

おいしいコーヒーを飲みながら

アナタも、今年の先のことに思いを巡らせてみませんか?

 

では、また。

 

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