こんにちは。しげとしです。
海外のトレーダーさんから連絡が来まして、今年はスペシャルティコーヒーも、かなり値上がりするようです。
普通のコーヒー(コモデティコーヒー)は、相場の変動で価格が決まるので、すでに高騰していて、これまでの2倍~3倍に価格が上がっているようです。
しかし、私達のお店が販売しているスペシャルティコーヒーは、価格が相場に連動していないので、今の段階では、まだ値上がりしていません。
ただ、コモデティ価格の高騰はスペシャルティコーヒーにも影響するので、今年の買付からは大幅に値段が上がるようです。
ついに来たか、という感じです。
コーヒー屋として、今回のように、急にコーヒー生豆が高くなる、というのは困るのですが、コーヒー生産国は貧しい国が多いので、長期的に見て「コーヒーの価格が上がる」ことには、それほど反対ではありません。
そこで、今日は、コーヒー価格高騰とサステイナビリティについて、私達の考えをお話させてください。
「サステイナビリティ」というのは、「より良い世界」にしてゆく取り組みです。
「サステイナビリティ」とか「SDGs」という言葉が流行って、先進国から見ると、環境問題ばかりに目がゆくことが多いのですが、発展途上国から見たときに「サステイナビリティ」は、経済問題です。
貧しい国で、自分の子供が怪我をしても病院に行けないときに、「地球温暖化でペンギンが…」という話に腹が立つ気持ちは、私にはよくわかります。
地球環境も大切ですが、それと同じように、貧しい国の子どもたちが学校に通えるようになることも私達の未来のために大切だと思います。
だから、コーヒー生産国の人と話をすると、コーヒーを買ってくれるから、コーヒーで働く人達の子供が学校に行ける…とか、コーヒーのおかげで貧しい人が保険に入れて、病院に行くことができる…など教えてくれることがあります。
ですから、コーヒー生豆が高くなる… というのは、貧しい国の農産物を日本で販売している私達の取り組みから見ると、「正しい方向である」とも言えるわけです。
とりわけ私達は、適正な取引をするトレーダーさんとだけお取引をしているので、今年のコーヒー価格高騰は、厳しいことになりそうだと感じています。
厳しいかもしれませんが、材料を落とすことなく、おいしいコーヒーをお届けしてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
そういえば、しげとしコーヒー 楽天市場店が、おかげさまで20周年を迎えます。
【20周年】で【1000円ポッキリ】セールも開催中ですので、ぜひお楽しみください。
そんなわけで、コーヒー価格高騰とサステイナビリティについて。
「サステイナブル」は、「環境・社会・経済」の3つの側面から考える必要があって、先進国から見ると環境問題なのですが、発展途上国から見ると経済問題です。
どれが大切、というのではなく、すべての面から取り組んでゆく必要があります。
そのとき、「貧しい人が可愛そうだから」という理由で、高いお金を出そうという人がいますが、私は反対です。
チャリティは、長続きしません。
昔から「貧しい人が可愛そうだから」という理由で、発展途上国の商品を先進国で販売するプロジェクトがありますが、先進国の経済が冷え込むと、毎回、取りやめになります。
うまく行った試しがないんです。
先進国の経済は、好景気と不景気が循環しますので、好景気のときに始まったプロジェクトも、不景気が来ればチャリティが継続できなくなります。
そして、先進国と組んでいた発展途上国の地域は、先行投資を回収できなくて、更に貧しくなるわけです。
今も昔も、チャリティは長続きしません。
そのときに、「そのコーヒーが、おいしくて必要だから」という需要だったら、どうでしょうか?
「おいしくて必要なもの」は、不景気が来ても無くならず、それなりに消費されてゆきます。
だから、お客様にとって「おいしくて必要なもの」になることは、チャリティよりもサステイナブルであると私達は考えています。
長くコーヒーを見てきた私は、コーヒー好きのお客様に「おいしいコーヒーだから」という理由で選ばれるコーヒーをお届けしてゆきたい、と考えています。
今年は厳しくなりそうなのですが、これからもおいしいコーヒーをお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
では、また。
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